本日は歌舞伎座なり(後半の後半)
台風の影響、島根、大丈夫でしょうか。
島根は民謡の宝庫、
そして喉黒の故郷?でもありますね(^^)
あー、なんて美味しいんだ〜、喉黒♡
ってそんな場合じゃないですよね(>人<;)
どちらの地区にも被害が最小限でありますようにと、お祈りしております。
はい、ちょっと反省の、いまひまぞうです。
さぁー今日は本腰入れて、後半の後半を
書き上げるぞ〜(^O^)
歌舞伎「連獅子」れんじしと読む。
一度は聞いたか、見た事があるかと思います。
長ーーい、フサフサの毛のカツラを被った
二人が出てきて(これが獅子)、毛を
ぶんぶん振るやつ。もう、ぶんぶんぶんぶん!
歌舞伎の親子共演や襲名披露の時などに
選ばれる演目のひとつ。
「連獅子」は、じつは大変奥深いのです。
詳しくはウィキぺディアで!
って、冗談です(^^;
百獣の王たるライオンは、子を谷へ突き落とし、這い上がってきた生命力の強い
子供だけを育てる、といわれていますよね。
「連獅子」は、それなんです。
物凄く想像力の問われる演目だけど、
分かると見方が変わります!
それでは、「連獅子」の始まり始まり〜。
親獅子と子獅子が花道から、
仮想「牡丹のお花畑」にやってきます。
舞台向かって右側が親、左側が子供。
この牡丹が獅子の痒みに効くそうで。
牡丹に身体を付けて擦ったり、
あーそこそこ、そこが痒かったのよー、ひゃー気持ち良い(≧∀≦)
やっぱり牡丹は効くんだねー!
なーんか楽しいなーヽ(´▽`)/
的な動きで、観客も何とな〜く、ほんわか(^^)
実はこの時、
親は気持ち良さの中にも重厚さ、
子は無邪気に快感を表す軽やかな動きが
問われます。(見所No.1。)
そんな和やかな時も束の間、
獅子達は舞い進みながら、崖っ淵へ。
(これも想像力重要)
親獅子は心に葛藤を抱えながらも、
えぃっとばかりに、子を谷底へ蹴り落とします。
えーーーなんでなんでーーお父ちゃん酷いよーーー(゚´Д`゚)゚。
↑これは私の心の声。
百獣の王たる獅子、子獅子と言えども
そんな泣き言は、言わないんですよー。
本能で分かっているんでしょうね。
そして落とされてもすぐ、谷を登ろうとするのです。いじらしい(T ^ T)
頑張って頑張って子獅子は本当に頑張って登ろうとするのだけど、どうにも登れない。
ここの頑張りとジレンマの表現は見所No.2。
でもどうしても登れずに、岩陰でちょっと休憩。
さぁ、心配なのは親獅子。
待てども我が子は上がってこない。
あーあの子には王位継承の素質は無かったのか、
あぁ、しかし可愛い我が子よ、お前は百獣の王である前に私の子ではないかーー、我が子よ〜〜!
↑見所No.3。
と、谷底を見下ろします。
岩陰に休憩中の子獅子は、
あー僕は登れないのかな、お父さんは僕を不甲斐ない息子と怒ってるかな、見捨てられちゃうよな、あーどうしたら登れるんだーーー僕はダメ獅子なのかぁーーー⁉︎、
半ば諦めの境地で、がっくりと頭をおろすとそこには水溜り。なんとその水には、頂から下を見下ろす親獅子の姿が映っているではないか!
あーーーお父ちゃん、僕?僕を探してくれてるの?僕を諦めた訳じゃないんだね⁉︎うん、僕頑張る!あーお父ちゃんが見ててくれるから、僕、力が湧いてきた!
お父ーちゃーーーん!!!!
そこからの子獅子の駆け上がり様の速いこと!
速いだけじゃない、親獅子に見放されたんじゃないと分かった子獅子の、喜び勇んでいる心の表現が、もーーーーー、見所No.4にして、泣き所(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
そして頂に着いた子と親の見所は、、
すみません、涙でよく見えていません(^^;
気がつくと、
2頭の獅子は正面を向き、
親は子への愛おしさと嬉しさと誇らしさ、子は登りきった自信と親の愛の深さを心に刻む様を踊りに込めて、
親子で獅子の舞を勇ましく逞しく誇りを持って、踊り続けるのでした。見所No.5。
幕
この雰囲気を、うまく伝えられないのが悔しい(T ^ T)
劇場に行くとイヤホンガイド先生が、
唸るほどの的確な言葉で、解説してくださいます(^^)
獅子の舞はもう狂った様に踊ってくれます。
ここが、
役を務めて踊っているのか、
獅子がこれだけの気持ちを通わせて踊っている踊りなのか、
で、全く違ってきます。
海老蔵くんは、今回この状況の中での、カンカンの宙乗り挑戦ということもあって、物凄く物凄く、親獅子でした(T ^ T)
男の方でも泣いていた。勿論私も。
そして、子獅子は、坂東巳之助くんのお勤め。
巳之助くんのお父さんは、十代目坂東三津五郎。
三津五郎さんは踊りの名手!!!
他の人が踊ると眠くなってしまう踊りも、三津五郎さんはぐいぐい惹きつけ、踊りの面白さを魅せつけてくれる、物凄くかっこ良い方だったのです。何を演じても上手かった!
そんな偉大な父に追いつけるのか不安もあるでしょう。子獅子の「僕頑張るよ」は、まさに今の巳之助くんではなかろうかと。
巳之助くんのお父さんは、海老蔵くんのお父さん市川團十郎さんご逝去の一年後に亡くなっています。命月は同じ2月。
團十郎さんと三津五郎さん、共演多かったし、相次いで偉大な父親を亡くされた2人のこの共演が「連獅子」を、深く深く見応えのある芝居にさせたのだなと、改めて思います。
獅子のぶんぶんは、首ではなく腰で回しています。回せるようになるのがまず大変らしいです。
海老蔵くんと巳之助くん、
物凄く、ぶんぶんしてくれます。
ぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶん!
拍手してる観客の手が浮腫むくらい長く長く、亡き父へ、亡き妻へ、息子へ、観客へ、心を込めて、本人達ぶっ倒れないのかと思うくらい、ぶんぶんしてくれています。
あれだけの連獅子は、正直見た事がありません。肉体的に相当辛い筈。有難や(T ^ T)
この芝居の見応えを、みなさんに少しでもお伝え出来たら、と思います。
昼の部、まだ空きがあるようです。
さぁ、歌舞伎座へGo!
長々とお付き合い頂きまして、有難う御座いました!
写真は十代目坂東三津五郎さん。
三回忌追悼公演にて